2025年3月期決算説明会 ご質問への回答

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2025年5月16日(金)に開催した2025年3月期決算説明会に関して、皆様からいただいたご質問・ご意見に回答させていただきます。

貴重なご意見をいただき、誠にありがとうございます。
今後の参考とさせていただきますので、これからも変わらぬ応援をいただけますようお願い申し上げます。

経営についてのご質問

Q-1. 御社はこれまでPBR1倍を達成しておらず、現預金を含む内部留保をどのように活用してPBR1倍を目指すのか、その目標時期と具体的な手法をお伺いしたいです。株主還元のないまま現預金残高に近い時価総額にとどまる現状は、経営者として問題ではないかと考えます

A-1. 直近10年間にわたりPBRが1倍を下回る状況が続いており、当社としても重要な経営課題と認識しております。資本効率の改善と株主還元の強化の両面から施策を検討しており、具体的には、環境対応や新規ビジネスへの成長投資を通じて企業価値の向上を図るとともに、自己株式の活用や政策保有株式の解消を通じて、株主の皆様への還元につなげてまいります。こうした取り組みにより、2028年3月期でのPBR1倍達成を目指してまいります

 

Q-2. 前回の決算説明会ではPBR1倍割れ対策が課題として挙げられていましたが、当社は過去に3億円規模の自己株式買入れを行っても、終了後に株価が下落し、毎回買入れ前の水準を下回る結果となっている点はご認識でしょうか

A-2. 過去における自己株式の取得に関しては、株価の一時的な下支えにはなったものの、取得終了後に元の水準を下回る場面もあったことについては認識しております。そのため、今後の資本政策においては、中長期的な企業価値の向上や株価の持続的な改善につながる施策を検討してまいります

 

Q-3. 前回の決算説明会でPBR1倍割れ対策が課題とされていましたが、配当性向40%程度の方針を公表しても、しばらくすると株価が下落し、公表前の水準に戻るという日本市場の傾向をご認識でしょうか

A-3. ご指摘のとおり、株主還元策のみではPBRの持続的な改善には直結しにくい傾向があると認識しております。事業成長と資本政策を両輪で推進することで、当社の企業価値の向上とPBRの改善を両立させることを目的とし、下記施策を行ってまいります。
  ・営業利益率16%水準の実現を目指した利益率の改善
  ・6,000百万円の成長投資による収益基盤の拡大
  ・ROE8%の達成を目標とした資本効率の向上
  ・配当性向40%を基本とした安定的かつ継続的な株主還元
  ・自己株式の活用および2027年までの政策保有株式の解消

 

Q-4. 前回の決算説明会では、資本政策として投資(投資領域や現預金の活用)を検討するとされ、また2025年3月期の決算短信では、来期は前期比約20%の減益予想が示されました。企業価値向上に向け、潤沢な内部留保を活用し、設備投資や研究開発による新商品開発・設備増強・新領域の取り込みを進める必要がある状況と考えますが、2025年度の研究開発費は前期と同水準の約6億円であり、2010年度の約10億円を下回る水準にとどまっており、業績拡大により企業価値を向上する姿勢が見られません。設備投資についても同様の状況でしょうか

A-4. 第6次中期経営計画では、2028年3月期までに総額60億円規模の成長投資を計画しており、その内訳には「環境対応投資」「新規ビジネス投資」「その他成長投資」が含まれています。研究開発費については、「分業推進」「実験装置の自動化」「AI解析の導入」など、研究プロセス全体の効率化を通じて開発成果の最大化を図る体制を整え、2028年には新製品寄与率12%の達成を目標としています。設備投資についても、「工場DX化」「再生可能エネルギーの導入」「エコ材料・溶剤低減への対応」など、環境負荷低減と生産性向上の両立を図り、将来的な競争力の強化や持続可能な生産体制の構築を目指し取り組んでまいります

 

Q-5. 資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応に関する開示について教えてください

A-5. 当該内容は第6次中期経営計画で触れる予定のため、今回の決算補足資料では記載を見送っております

 

Q-6. 株価が長年低迷し、PBRも0.5前後で推移していることから、業績や財務状況に対して市場の評価は著しく低く、多くの株主が不満を抱いていると思われます。その原因は、役員の対応の遅れや判断力の欠如にあるのではないでしょうか。昨年の説明会でも「これから検討する」との回答が多く見られましたが、上場企業としてはもっと早くに対策を講じるべきだったと考えます。利益剰余金の活用についても同様です。こうした点を踏まえ、考えを示していただけますでしょうか

A-6. 当社株価が長期にわたり市場から十分な評価を得られていない点については、経営としても真摯に受け止めております。特に過去数年は、COVID-19による業績への影響から回復を最優先に取り組んでまいりましたが、その中で資本政策や中長期的な課題への対応が後手に回った部分があったことは事実であり、今後は経営課題について着実に取り組みを進めてまいります。資本効率の改善を含む当社の対応方針については、Q-3にて回答しております

 

Q-7. 2026年3月期の配当予想が1円減配の7円となっています。1円減配した理由を教えてください。また、業績予想から配当性向40%としていますが、累進配当にはできないのでしょうか

A-7. 前事業年度の配当予想は当初6円でしたが、業績が予想を上回る結果となったことを受け、特別配当を含めて8円に増配しております。 また、今期の配当予想が7円と結果として減配になりましたが、前事業年度からすると1円増配と捉えております。 また、累進配当につきましては、赤字でも配当を出してきた経緯もあり、三方よしの考えのもと安定配当に引き続き取り組んでまいりたく存じます。
今後の配当につきましては配当性向40%を目指してまいります

 

Q-8. 中期経営計画の資料では、2028年3月期にWACCが現在の半分以下になると示されていますが、バランスシート予想では株主資本と負債の構成比に大きな変化が見られません。WACCを大きく低下させるには、一般的に株主資本比率をさらに下げる必要があるのではないかと考えますが、この点についてどのようにお考えでしょうか

A-8. 5月16日に開示の中期経営計画の資料P.25でお示ししているバランスシート予想に記載の事業用諸負債は日々の活動に必要な金額(営業債務、労働債務)のみとなっており、それ以外は投下資本に含まれております。この投下資本を事業活動や株主還元に活用していくことでP.22に記載のWACC4.0%、ROE8.5%を目指してまいります

 

Q-9. 本日(5月16日)時点でのPBR(株価純資産倍率)が0.56倍と著しく低い中、当社は現預金120億円(60%以上)占めていますが、このうち投資、株主還元それぞれに用いる額を教えてください

A-9. 投資の金額につきましては、中期経営計画にて公表した通りエネルギー対策や環境対応に31億円、開発効率化など新規ビジネス向けに22億5千万円を考えております。また、それら原資としまして、内部留保より35億円、利益剰余金より25億円の支出を見込んでおります。株主還元につきましてはこうした投資により利益を確保し、安定的に配当性向40%を達成するような配当を目指してまいります

 

Q-10. 2028年時点でのバランスシートの具体的な内訳(金融資産、事業用資産など)を金額で示していただけないでしょうか

A-10. 具体的な数字につきましては開示を差し控えさせていただきますが、Q-9の投資以外にも事業の維持に必要な金額の他に、将来的な製造ラインの増設などにかかる費用として50~60億円程度は確保したいと考えております

 

Q-11. 現預金について、「資金を持つことが安心につながる」というお考えなのでしょうか

A-11. COVID-19時の教訓から、有事に備えた資金確保は従業員の雇用に対する不安を取り除く意味でも重要と考えております

 

Q-12. 東証の掲げる「資本コストと株価を意識した経営」に対し、具体的にどのような方向性で株価改善を図るのでしょうか

A-12. 具体策としては、自己株式の取得も様々な対応策の一つと考えております。また、フィルムのみではなく、デジタルツイン事業をさらに伸ばしていくことです

業績についてのご質問

Q-13. 米国の関税措置の影響について教えてください

A-13. 当社製品はグローバルに展開しており、現在の関税措置については注視しています。現時点で把握している影響を織り込んだ上で第66期の業績予想を策定しており、今後も国際情勢の変化に柔軟に対応してまいります

 

Q-14. 為替感応度について教えてください

A-14. 当社は海外展開を行っておりますが、日本円建てでの取引が中心であることから、為替変動による影響は限定的であると認識しております。そのため、現時点では為替感応度の算出は行っておりません

事業についてのご質問

Q-15. デジタルツイン事業全体として、黒字で推移しているのか、それとも赤字なのかをご教示ください。また、可能であれば、その金額(利益額または損失額)についてもお知らせ願います

A-15. デジタルツイン事業を含む各事業部ごとの売上高以外の数値につきましては、現時点では開示しておりません。ご理解のほどお願い申し上げます。今後も、当該事業が利益向上に貢献できるよう、引き続き取り組んでまいります

 

Q-16. 高機能材料事業の売上目標は、フィルム事業の中に含まれているのかを確認させてください。また、高機能性液事業について、将来的にフィルム市場が必ずしも拡大し続けるとは限らない中で、表面に機能を付加するという点で今後伸びると考えて本事業を注力分野として掲げられたのでしょうか

A-16. 高機能性液はフィルム事業の一部として計上されています。
フィルムに限らず、ガラスやプラスチック成形品への機能付与など様々なお客様のニーズがある中で、当社のブレンディング技術と分散技術を活かした高機能性液とその塗布方法のご提案も含めて、貢献できると考えております

 

Q-17. 異種機材について詳しく教えてください

A-17. 当社のフィルム製品では、かつては約95%以上がPET(ポリエチレンテレフタレート)基材でしたが、現在はPETに限らず、用途に応じてさまざまなプラスチック基材(異種機材)を活用した製品開発を進めています

2025年3月期決算説明会 動画(別ウインドウで開きます)

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