事業についてのご質問
Q-27. 競争環境について以下の認識で相違ないでしょうか。
顧客の要求性能を満たすためのコーティング剤の組み合わせに関するノウハウや、コーティングヘッドおよび塗布技術には一定の強みがある。また、デバイス組み立てメーカーの歩留まりに直結する品質の安定性や良品率、さらに車載およびスマートフォンの機種ごとに求められる多様な光学性能への対応が重要。加えて、PET原反メーカーや薬剤などの素材サプライヤーにおいて日本勢が優位であり、市場規模の小ささから、中国や台湾の企業がフィルム加工に参入する魅力は乏しい。
A-27. 概ね相違ございませんが、一部では中国や台湾の企業がフィルム加工に参入している実例もございます。
Q-28. T社が2017年に三重工場を開設していますが、同地域で顧客を取られるという事はありますか。
A-28. 2017年にT社が三重工場を開設したことにより同地域で顧客を取られている事実はございません。
Q-29. T社のホームページには主要顧客が掲載されていますが、きもとも同様と考えてよいですか。
A-29. 拡散フィルムの主要顧客については液晶業界全般と考えております。
Q-30. H社はフォルダブルスマートフォンのフィルムを開発していますが、きもとは当該フィルムを作ることができないのでしょうか。
A-30. フォルダブルスマートフォンについては、各社の要求性能が定まっていなかったため調査段階より先に進むことができませんでした。
Q-31. 市場が急拡大すると言われているフォルダブルスマートフォン向けのフィルムは、面積の大幅な増加が期待できますが、大きな機会にはならないのでしょうか。
A-31. お客様との秘密保持契約の関係上、詳細についてはお答えできませんが、フォルダブルスマートフォン向けのフィルムについては当社としても取り組んでいる分野であり、一定の期待を寄せている状況です。
Q-32. D社は車載ディスプレイ向け反射防止フィルムで圧倒的なシェアを持っていますが、この分野でキャッチアップすることは可能でしょうか。また、同社との差には何がありますか。
A-32. D社の反射防止フィルムはウェットコーティングではなく、ドライコーティングによるものと推測しております。一般に反射防止フィルムはドライコーティングの方がフィルムの光学性能が高いものとなります。残念ながら当社は現時点でその設備を保有しておりませんので、ウェットコーティングでの反射防止フィルムの販売を促進しております。
Q-33. D社製の車載向け反射防止フィルムと同等の光学性能を実現するために設備投資を行う予定はありますか。それとも、OLED化に伴う市場縮小を見越しているのでしょうか。
A-33. 現時点では設備投資の予定はしておりませんが、当社の技術にはこの分野でまだ成長の余地があると考えており、引き続き注力して取り組んでまいります。
Q-34. D社の反射防止フィルムはハードコート機能と飛散防止機能を兼ね備えていますが、光拡散フィルムとの共存は可能なのでしょうか。
A-34. D社の反射防止フィルムは表面の保護と画像の鮮明度に寄与するフィルムであるため、画面の明るさに寄与する拡散フィルムとは共存できると考えております。
Q-35. スマートフォン向けの製品は、ほとんどが遮光フィルムであり、一部に工程用粘着フィルムが含まれるという理解でよいでしょうか。
A-35. スマートフォン向けは遮光フィルムと工程用粘着フィルムが中心になります。工程用粘着フィルムも、決して少なくない出荷量がございます。
Q-36. スマートフォン向け製品について、ハイエンド品とローエンド品の単価の違い、また、ハイエンド品の比率について教えてください。
A-36. 各社ごとに設計思想が異なるため、単価の違い及びハイエンド品の比率について具体的な内容はお答えを差し控えさせていただきます。
Q-37. 競争力のあるカメラレンズ向け遮光フィルムのシェアはトップシェアでしょうか。
A-37. 遮光フィルムはスマートフォンをはじめ、さまざまな用途で当社の製品が使用されています。「トップシェア」と断言することは難しいですが、当社の製品が多く採用されていると認識しております。
Q-38. 競合他社の遮光フィルムも今期から急速に回復していますが、製品性能に大きな違いはなく、北米メーカーなどによる慣習的な複数購買がその要因と考えられるのでしょうか。
A-38. 他社の状況については当社からは申し上げられません。遮光フィルムについて当社は性能及び安定生産、営業力に優位性があると認識しております。
Q-39. カメラの高性能化により、北米、中国、韓国のハイエンドスマートフォンにペリスコープレンズが搭載されるケースが増えていますが、これらのレンズに遮光フィルムは採用されていますか。
A-39. ペリスコープレンズにおいても当社遮光フィルムが採用されていると推測しております。
Q-40. 車載向けの売上構成比について、最も多いのが光拡散フィルム、次いでハードコートフィルム、さらに遮光フィルムと粘着フィルムがほぼ同じ割合という認識でよろしいでしょうか。
A-40. 製品別売上構成比の詳細は非開示とさせていただいております。しかしながら輸送機器向けの売上構成比としましては拡散フィルムとハードコートフィルムが多い傾向となっております。
Q-41. 通信機器、車載向けで完成品セットメーカーとの直接取引はありますか。
A-41. 通信機器、輸送機器向けともに、直接取引はございませんが、お付き合いはございます。
Q-42. レンズメーカーとの直接取引はありますか。また、各社の割合を教えてください。
A-42. 直接取引はございませんが、間接的に取引がございます。また、情報の共有などでお付き合いはございます。販売の割合については非開示とさせて頂きます。
Q-43. 車載向けパネルは主要顧客以外にも世界シェアトップとなる他メーカーへの供給はありますか。また、台湾、中国、韓国、日本の各パネルメーカーとの関係性を深い順に教えてください。
A-43. 一部供給実績があります。関係性につきましては、各国とも良好な関係を築いております。
Q-44. 車載向けにおいて、欧米の特定顧客との関係が深いとのことですが、それらの完成品メーカーの販売台数に依存していますか。
A-44. 欧米の特定顧客様分については、コミュニケーションをしっかりと取っていることや自動車産業品質マネジメントシステム規格 IATF16949やドイツ自動車工業規格VDA6.3のプロセス管理基準によって製造された高品質な製品を提供することで完成品メーカーの販売台数への依存度を少なくしております。
Q-45. 欧米メーカーの顧客の販売台数が減少した場合に、他のメーカーやパネルメーカーに出荷を機動的に振り替えることはできないのでしょうか。
A-45. 各メーカーごとに要求される光学性能が異なりますため、機動的に振り替えるといったことはできません。
Q-46. 中国の大手ディスプレイメーカーがマイクロLEDディスプレイを試作してますが、きもとの製品をそれらの企業に供給することはできますか。
A-46. 供給することは可能です。
Q-47. ディスプレイメーカーにマイクロLED向けフィルムを供給可能とのことですが、メーカーと共同で研究開発を行っているのでしょうか。
A-47. 具体的な取引先に関してはお答えを差し控えさせていただきますが、マイクロLEDに関しましては数年前から取り組んでおり、多くのメーカー様から引き合いをいただいております。現在もその需要に応えるべく進めている状況です。
Q-48. 車載ディスプレイにおいてもOLED(有機ELディスプレイ)が急速に進展すると言われていますが、現在の主力である光拡散フィルムやハードコートの販売が急減するリスクはありますか。また、OLED化が進んだ場合に新たな需要が期待されるフィルムや、引き続き使用される可能性があるフィルムについて教えてください。
A-48. ご指摘の通り、主力製品の需要に影響が出るリスクはございますが、一方でOLED(有機ELディスプレイ)向けフィルムの用途開発も進めております。
Q-49. 開発中のOLED(有機ELディスプレイ)向けフィルムとはどのようなもので、市場投入の時期はいつになるのでしょうか。
A-49. お客様との秘密保持契約に基づき、具体的な内容や市場投入時期についてはお答えを差し控えさせていただきます。ご了承ください。
Q-50. ①マイクロLED向け工程用粘着フィルム、②先端半導体パッケージ向け工程用フィルム、③EVバッテリー向け高耐熱粘着フィルム、この3製品を提供できる競合他社はいますか。また技術的な優位性を教えてください。
A-50.
競合他社が存在する中で、当社の技術的優位性はそれぞれ以下のように考えております。
①粘着力の品質及び安定生産力
②被着体との密着性、品質、安定生産力
③被着体との密着性、品質、安定生産力
Q-51. 仕入れ先のフィルムメーカーT社が6月からフィルム製品を10%値上げするとしていますが、価格転嫁の予定がないのであれば下期の原価率が上昇するのではないでしょうか。
A-51. T社様以外にも多くの仕入れ先と取引を行っており、値上げの話は以前から発生しております。その都度、取引先やお客様と真摯に向き合い、交渉を進める中で価格に適切に反映させるなどの対応を行っております。今後も価格交渉や対応を継続し、原価率の影響を最小限に抑えるよう努めてまいります。
Q-52. O社は、製造・建設・設備業向けBIM・CIM・GISソフトをラインナップし、ソリューションやエンジニアリングサービスまで展開している。同社に対してデジタルツイン事業の勝ち筋が見えないが、同社に対する優位性を定性と定量の両面から教えてください。
A-52. O社はソフトウェアやシステムの販売を主力としていますが、当社は計測から見える化までを一貫して提供するビジネスモデルを採用しており、特にデータ加工を中心とした「データキッチン」ビジネスを展開しています。両社の事業モデルや提供価値は相補的な関係にあり、競合関係というより、取引先や協力パートナーとして関係を構築できる可能性があると考えています。また、事業領域や提供価値の違いから、定量的に比較することは困難ですが、当社の強みとしては、長年にわたって培ったノウハウを活かし、計測からデータ加工、閲覧までを一貫して行うワンストップサービスを通じて、高品質で付加価値の高いデータをご提供しています。
Q-53. O社はソフトとシステム開発、きもとはデータ加工を中心に事業を展開しているとのことですが、内製化によりデータ加工のニーズが減少している中で、デジタルツイン事業をどのように成長させるのでしょうか。
A-53. 日本では、海外に比べ三次元データの活用がまだ遅れている現状があります。データ量が多く運用が難しいケースや、精度の低い三次元データを二次元で扱っている例も見受けられます。当社は創業以来、画像の精度にこだわり続け、それを基盤にフィルムや精度重視の技術を発展させてまいりました。三次元、デジタルツインにおいても、単なる「絵」ではなく、精度の高いデータを提供することにより、計測からデータ加工、さらに運用管理までを一貫して支えるサービスを展開しています。これにより、デジタルツイン事業の成長があると考えております。