2011年上半期を振り返って

RZisetTIReGimmBbLhQO_photo_Massage_2011_10.jpg
代表取締役社長 木本 和伸

 当第2四半期連結累計期間の業績を受け、誠に遺憾ながら通期の業績見通しを下方修正いたしました。当初計画していた目標を達成できなかったことを関係者の皆様に対し心よりお詫び申し上げます。

 当第2四半期決算に関する分析および通期業績見通しの詳細、また今後の施策等につきましては、11月15日に行った機関投資家・証券アナリスト向けの第2四半期決算説明会にてご説明申し上げました。この説明会の模様を一般の方でもご覧になれるよう、当社Webサイトにて公開しておりますので、ご覧いただければ幸いです。

 ここでは現事業年度において実施している施策についてご報告いたします。

・営業車ゼロへ

 社長就任時に国内のお取引先様へご挨拶に伺った際、私は『営業車はいらないのではないか』と感じました。そして今期より全社で39台あった営業車のほぼ全面廃止を決めました。当時、縮小傾向が続く従来のマーケットに対して、多くの営業は仕入れ商品の販売に追われ、メーカーとして新しく提案できる製品を持つことができないでいました。このような状況が続けば、お客様からの期待は薄れ、メーカーとしての活動もままならなくなるのではと強い危機感を覚えました。

 このような状況を打破するためには、営業自身が新しい考え方ができるようにならなければなりません。営業車が無くなれば、営業は今までとは違う方法で行動しなければならず、自ずと新しい考え方ができるようになります。

 このように営業のワークフローを変化させることで、お客様への新規提案を可能とするのがこの施策の目的です。

・研究部門および製造部門へのフリーアドレス導入

 前期より、本社と埼玉にある研究部門にフリーアドレスを導入しました。このフリーアドレスにはいくつかの狙いがありました。スペースの効率化によるコストの削減やコミュニケーションの活性化などはもちろんですが、最も大きな狙いは複数拠点間でのフリーアドレスに対応できる業務フローとITシステムの構築でした。

 今期は三重県と茨城県にある製造部門までフリーアドレスを拡げます。これにより、本社、研究部門、製造部門ではどの拠点に出勤しても普段と同様に業務が行えるようになります。通勤による従業員の負荷が低減され、より業務に集中することができるようになります。

・クラウド化の推進

 KIMOTOグループでは今期より日本に所在する2社(株式会社きもと、株式会社キモトテクノ)のグループウェアをクラウド化しました。2012年中にはアメリカの関連会社であるKIMOTOTechInc.も同じグル―プウェアを導入します。

 グループウェアのクラウド化により業務効率の向上とそのノウハウを取得します。
 そしてここで得られたノウハウを空間情報事業にまで転用することを目指します。

・ FPD-5(フラットパネルディスプレイ関連プロジェクト)活動順調

 ハードコートフィルム、光拡散フィルム、光学遮光フィルム、工程用粘着フィルム、フォトマスク保護フィルムの5つの製品は、スマートフォンをはじめとしたエレクトロニクス製品の部材や工程材として使用されています。

 私たちは、これら5製品をFPD-5と呼んでグループ化し、関連する5つのプロジェクトチームを連携させました。従来は縦割り的に営業や製品開発がなされ、お客様のニーズを効率的に吸い上げることができませんでした。しかし、このFPD-5によって多くのお客様から、より精度の高い情報を得ることができるようになってきました。

 今後もFPD-5を中心として営業活動や製品開発を行ってまいります。

・ ヨーロッパ事業の大幅再構築

 欧州関連会社においては、過去から『すべきこと』が実行されないままに過ごしてしまいました。これは大いに反省すべき点であります。今後は既に明らかになっている『すべきこと』を確実に実行するのみです。

 今期より欧州関連会社の組織を強化し、欧州地域における事業の再構築にグループの総力を挙げて取り組んでおります。

・ 三重工場の地元いなべ市で稲作を開始

 今期よりCSR活動の一環として、三重工場のあるいなべ市において稲作を始めました。いなべ市より水田37アールをお借りし、兼業で農業を営んでいる三重工場の従業員達によって約1,400kgのお米を収穫することができました。

 先日届いた新米はとても美味しく、地元の味を実感しました。今後はリスクを減らしながらも少しずつ耕作面積を拡げ、私たちが少しでも地域に貢献できるようKIMOTOは農業を永遠に続ける所存であります。

 自然災害(地震・台風・水害)および原子力発電所事故の影響で従来の生活を取り戻せずに生活していらっしゃる方たちのお気持ちを考えると心が痛みます。

当社グループにとってすべき事は利益を生み出し、税金をお支払いすることと存じます。 非力な会社ではございますが、皆様のご期待に長期にわたりお応えできるよう、KIMOTOグループ全員一生懸命働きます。

何卒かわらぬご支援とご鞭撻を賜りたく、よろしくお願い申し上げます。

2011年10月27日
株式会社きもと
代表取締役社長 木本 和伸


TOP